2026.07.23
フロア内を縦横無尽に走り回る搬送ロボットの姿は、もはや珍しい光景ではない。しかし、その軽快な動きがピタリと止まる場所がある。エレベーターの扉の前だ。自律走行搬送ロボット(AMR)の導入が進む一方で、階をまたぐ移動には依然として高い障壁が存在してきた。通信プロトコルの不一致や、乗り込み時に生じる数センチの段差。これらの課題ゆえに、多くの現場では人間がロボットをエレベーターに乗せるか、あるいは各階に個別の機体を配備するという、自動化のメリットを半減させかねない運用を余儀なくされてきた。2026年6月、昇降機メーカーの老舗であるダイコー株式会社が自社ビルで開始した取り組みは、この「垂直移動の断絶」を設備の側から解消しようとする試みである。ロボットがエレベーターと対話し、自ら階層をまたいで移動する。建物全体を一つの回路のように繋ぐこの実装は、日本のオフィスや物流現場における省力化の定義を、フロア単位から建物単位へと拡張させる大きな一歩となるはずだ。(文=RoboStep編集部)
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