2025年1月7日、AI・ロボットの開発、技術コンサルティングを行う知能技術株式会社(大阪府大阪市、代表取締役:大津 良司)は、ボタン1つで誰でもAIを使えるwebアプリ「Deer-Ai(ディア・エーアイ)」をリリースした。このアプリを使えば、対話を通じて歴史上の偉人が課題を解決する他、議事録作成、翻訳、文章の作成など日々の多様なタスクをワンクリックで高速化することができる。AI活用の初心者にとってハードルの高い「プロンプト入力」を極力少なくし、手軽にAIの利便性を体感できるソリューションとなるという。大津氏に開発の狙いと特徴を聞いた。(文=MetaStep編集部)
日々進化を続けるAI。様々な分野で存在感を発揮しているものの、実際に何ができるのかよく分からなかったり、使ってみたが思ったような結果が得られなかったことはないだろうか。AIへ与える指示「プロンプト」が重要だというのは理解しているだろう。しかし初級者にはそれすら覚えるのが大変という側面もある。そこで知能技術が開発したDeer-Aiは、予め目的に沿ったAIを複数用意。わかりやすいプルダウン式にすることで、プロンプト入力を極力減らしている。
開発元の知能技術 代表取締役 大津 良司 氏はこう語る。
「AIの急速な進化により、これまで一部の専門家のみが利用していたAIが一般ユーザーにも広く提供されてきています。Deer-Aiは、誰でも日々の作業の自動化・高速化を実現するツールとして、社会のデジタルトランスフォーメーションを加速させることを目指しています。使い方を事前に身に着ける必要がなく、簡単にAIの利便性を体感できるため、私たちは Deer-Ai を通じ、AI を誰もが利用できる普遍的なツールとし、技術の恩恵をより広く届けることを目指しています」。
現在Deer-Ai には、「対話アシスタント」「翻訳」「議事録作成」「コメント分析」「市場分析」「コードのエラー修正」「メモの要約」「画像作成」「数学相談室」「文章作成 & 校閲」「プレゼント作成機能」といった、業務でもプライベートでも使える11もの機能が搭載。本記事ではDeer-Aiの特徴的な注目機能を紹介する。
織田信⾧などの偉人や、関西人の主婦など、 多様な人物が相談に乗る。本来ChatGPTでは予めキャラクター設定をしておく必要があるが、それは不要だ。わからない単語の検索、文章作成、ブレインストーミングなど、 さまざまな用途で使えるうえ、選んだ人物の性格に応じて異なる答えが得られることもあるので、各人物の考え方の違いも楽しめる。ChatGPTをベースにしているので、もちろん回答精度は折り紙付きだ。
各人物がそれぞれの視点から回答を提供。続けて会話することもできるのできっと好みの回答が得られる
「多少曖昧な質問でも構わない」「質問を続けることができる」といった注釈は、ChatGPTを使った事がある人にとっては不要と思うかもしれない。しかし本当の意味でAI活用をどの世代にも浸透させる事を考えると、電子機器に疎いユーザー層にも配慮したUIが必要と気づかされる。
会議中に録音した音声ファイルから、議事録を作成。様々な議事録サービスが存在する中で、Deer-Aiは短い議事録を作りたい層にも届くよう、手軽な料金でサービスを提供しているようだ。そのため、たくさんの簡易議事録を作りたいユーザーに適したサービスとなっている。
作成される議事録のイメージ。打ち合わせの概要や、To doリストの作成も可能だ
ChatGPTで会話をした程度のユーザーには、意外とこのような議事録をアウトプットさせる事は難しかったりする。事前にプロンプトを設定せずともフォーマットが用意されているこの形は使いやすい。
アンケートやイベントのフィードバックを瞬時に分析し、要望の抽出、ポジティブ・ネガティブな意見の分類や頻出意見のタグ付けを行う。重要なトレンドや改善点を瞬時に把握しその改善により多くの時間を割くことができ、次の施策に活かすことができる。
コメント分析の例。要望のみの抽出や、ポジティブな意見の抽出など様々な形式で分類できる
手作業だと地味に時間がかかるのでAIを活用したいが、ChatGPTにどう伝えればいいかわからない、という作業は意外と多いだろう。アンケート分析はまさにそれで、微妙な言葉の差異を判断し分析するのは労力もかかるのでこのニーズは多いと感じた。
様々な言語間の翻訳に加えて、翻訳のトーンも選択可能だ。通常の翻訳アプリではフォーマルな言い回しに直される所を、カジュアル~フォーマルの選択で自然な翻訳を提供する。これにより、英語でのビジネスメールの作成から友人との会話まで様々なシーンに応じた翻訳を提供する。
翻訳機能の使用例。トーンを選択できるので様々なシーンで利用可能。
翻訳のトーンは「とてもカジュアル」「とてもフォーマル」まで様々。「大阪のおばちゃん」にすると、陽気な関西弁で日本語訳されるのも面白い。
文章を入力するだけで、Deer-Aiのロゴのような画像など、多様なスタイルの画像を作ることができる。
画像サイズや解像度、テイストまでプルダウンで選択可能。用途に応じてプロンプトを入力するのが面倒な場合は、この方が早いかもしれない。
「私はこれまでAIの利便性を様々な場面で実感してきました。しかし、AIに対して『仕事が奪われる』や『使い方が分かりにくい』といった否定的なイメージを持つ方も少なくありません。そうした方々にAIの魅力を最大限に感じていただけるような取り組みを進めたいと考えています。
そこで今回、Deer-Aiを開発するにあたって徹底的に『誰もが手軽に使える』を意識しました。適切な応答を得るための工夫はもちろん、ページ間の移動など、UIについても検討を重ねてきました。
ただ、まだまだ改善の余地は多分にありますので是非一度お試しいただき、ご意見をお聞かせいただければ幸いです。このアプリを通じ、少しでも多くの方にAIの利便性が伝わればと考えています」(大津氏)。