製造業や物流業では人手不足が深刻化し、工場や倉庫の自動化は避けて通れない課題となっている。その中でも課題が大きいのが、工場や倉庫における運搬の工程だ。自動化の多くは「運搬」のみの作業にとどまり、格納などの作業は人の手が残りやすかった。株式会社ハクオウロボティクスが発表したリーチタイプの自動フォークリフトは、同社の既存機種と連携し、搬送から格納までをつなぐ。作業だけではなく工程全体が自動化する可能性に迫る。(文=RoboStep編集部)
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(引用元:PR TIMES)
2026年9月、ハクオウロボティクスは1トンの重量物に対応した新型の自動フォークリフト「AutoForkリーチ」を展開すると発表した。
同社は以前から、倉庫や工場で採用されることの多い、ウォーキータイプの自動フォークリフト「AutoForkウォーキー」を展開してきた。積載量は570キロまで対応、スイッチ1つで有人・無人モードを切り替えられ、現場の状況に合わせた柔軟な運用を可能とする。倉庫や工場の水平搬送を自動化する目的で導入が進む。
今回発表した新ラインアップである「AutoForkリーチ」は、リーチタイプと呼ばれる機構のフォークリフトだ。一般的にこうしたフォークリフトは、ツメを伸縮することで荷物の積み下ろしを行う。車体を大きく動かさずにツメだけを棚の奥に差し込めるため、通路の狭い倉庫でも荷物を出し入れしやすいのが特徴だ。
「AutoForkリーチ」は1トンまでの重量に対応しており、取り出しと格納も自動で行う。重量物の運搬を最初から最後まで担うことができる。
(引用元:PR TIMES)
同製品には3つの大きな特徴がある。1つ目は、専用のパソコンを搭載している点だ。自動化機器を導入する際、社内ネットワークの新設がボトルネックとなりうる。ハクオウロボティクスのフォークリフトは、専用の社内ネットワークを不要とする。フォークリフト単体で搬送の自動化を進められる。
2つ目の特徴が、有人操作と自動運転をスイッチ一つで切り替えられる点。作業者が必要な工程と自動化を進めた工程の両方で使用できる。工場や倉庫の稼働状況に合わせて柔軟に運用することが可能だ。
3つ目の特徴が、フォークリフトの業界シェアで上位を占める株式会社ロジスネクストと車体供給契約を締結し、同社の車体を採用している点である。ロジスネクストのフォークリフトは多くの工場で使われ、メンテナンス性や耐久性に優れる。ハクオウロボティクスが独自開発した最先端のシステムを搭載することで、従来のフォークリフトに求める基準を満たしながら自動化を実現した。同製品は2027年夏頃の量産販売開始を目指している。
ハクオウロボティクスが発表した新ラインアップは、工場や倉庫内の運搬の自動化を個別の作業から一連の工程へ拡大しうる可能性を秘めている。
現在、AGV・AMRのような小型ロボットは現場に普及しつつあり、工場や倉庫の搬送の自動化に寄与してきている。一方で、多段式のラックから荷物を取り出したり、格納したりする工程はいまだ人間が担っている。またロボット同士が協働し、工程全体の運搬を自動化しているケースも少ない。工程の完全な自動化を実現するには、細かな業務をロボットや機械が担うことが必須だ。
ハクオウロボティクスが開発したのは、人間の担っていた細かな業務の一部を担うフォークリフト。さらに、このフォークリフトは同社の異なる機種と連携できる。ウォーキータイプの自動フォークリフトが、工場内にあるパレットを保管エリアに運搬。リーチタイプの自動フォークリフトがそのパレットを持ち上げ、ラックへ格納する。荷物を受け渡す作業は不要だ。
工程間をまたいだ自動化を手助けする存在になると期待されるため、今後も完全自動化を目指した製品が開発されていくと推測できる。自動化できる範囲が広がったその先、完全自動化した工場や倉庫のモデルケースが現れることだろう。
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