東京駅から徒歩7分。中央通り沿いに大きく広がる賑わう緑豊かな広場を抜けた先にある地下3階地上28階建ての超高層複合用途ビル「TODA BUILDING」で、自律移動型警備ロボットの本格導入が開始された。深刻化する労働力不足は、警備においても課題だ。警備現場でのロボット活用は日常の風景となるのか。(文=RoboStep編集部)
今回、TODA BUILDINGに導入されたのは、自律移動型警備ロボット「SQ-2」。自律移動型ロボットの開発・製造・サービス提供を行うSEQSENSE(シークセンス)が、警備会社テイケイの協力・運用のもと、2024年11月1日(金)から本格稼働を開始した。
TODA BUILDINGは、地下3階地上28階建ての超高層複合用途ビル。SQ-2は1階エントランスロビーと2階オフィスエントランススペースにて運用される。SQ-2は1階と2階を、エレベーターを使って移動し、立哨を行う。時間帯によってフロアを移動し、警備員に代わって立哨することで、施設全体の警備員の負担軽減に寄与するという。
TODA BUILDINGにて運用中のSQ-2
警備は人の命や財産、秩序なども守る重要な仕事だ。オフィスビルや商業施設では、警備業法により、警備員を必ず配置しなければいけない場所が定められている。需要は高いが、求職者がほかの業界と比較して少なく、慢性的に人手不足の警備会社が多い。
今回導入された「SQ-2」を提供するシークセンスは、2016年創業。「世界を変えない。」というミッションを掲げ、現在は自律移動型警備ロボット「SQ-2」を中心にサービスを提供している。これまでも新虎安田ビルや秋葉原ダイビル、名古屋プライムセントラルタワーなどで導入を進めてきた。
「SQ-2」は、3次元センサー技術・自己位置推定アルゴリズム・リアルタイム経路計画アルゴリズムなど高度なテクノロジーを駆使することで生まれた自律移動型の警備ロボットだ。
独自の3DLiDARを搭載しており、警備対象物件の詳細な3次元マッピング、歩行者をはじめとした動体検知、環境の変化を検出することが可能だ。立哨・巡回・来館者対応といった警備業務の全面的あるいは部分的な代替を行うことで、施設の管理コスト削減に貢献する。
2019年のローンチ以降、日本全国でロボットが進み、警備現場での実績を重ねている
定期的な遠隔アップデートにより、新機能の実装や不具合解消を行うため、常に最新の状態で利用できるのも魅力だ。2021年には第9回ロボット大賞で日本機械工業連合会会長賞を受賞している。
受賞時の評価ポイントはこうだ。
ビル警備は通常、警備員が目視で非常に多くの細かい箇所を点検していることから、従来の警備ロボットでは確認しきれない多くの場所があった。本機では、視野角の広いカメラでそれらの確認ができる。不動産企業との連携もあり、将来のビジョンもしっかりしていることから、ビル警備会社への導入が加速することが期待される。
受賞からおよそ3年、着実に実績を積み上げてきている「SQ2」は、日本において警備ロボットが確実に広がってきている一つの象徴なのかもしれない。