カレーハウス CoCo壱番屋やほっかほっか亭がロボットでデリバリー可能に。ウーバーイーツジャパンが、自立走行型のデリバリーロボットを活用した配達サービスを、2024年11月14日から大阪市内一部地域で開始した。2024年3月の東京・日本橋に続き、全国で2都市目の試みとなる。夜間走行も可能になったという今回のサービス。いよいよ、ロボットの配達サービスは本格化するのか。(文=RoboStep編集部)
日本での配達のロボット活用は、2023年4月に大きな転換期を迎えた。道路交通法改正で、届け出制により自律型ロボットの公道(歩道)走行が解禁。実際のサービスで活用できる環境が整ったからだ。実証実験段階からいよいよ社会実装へ。
ウーバーイーツは、2024年3月から、東京・日本橋で、自律走行するデリバリーロボットによる配達サービスをスタート。2024年11月14日(木)からは、大阪市内一部地域にて開始した。デリバリーロボットの運用・保守は、三菱電機グループ会社のメルコモビリティーソリューションズが担当。同社の夜間走行許可取得により、大阪では日中に加えて夜間での配達も行われる。
サービス開始時点では、Uber Eats加盟店舗のうち、アンサンク an39、インド・ネパール料理 ラクシュミ 大淀店、魚丼 福島店、カレーハウス CoCo壱番屋 JR福島駅前店、ほっかほっか亭 大淀南店がデリバリーロボットに対応。デリバリーロボットは、午前9時から午後9時まで配達依頼を受けることが可能だ。
ウーバーイーツジャパンの中川晋太郎代表は、「このたび、デリバリーロボットによる配達サービスを大阪市内で開始することができ、誠に嬉しく思います。大阪は関西地域で最もUber Eatsの利用が多い地域であり、Uber Eatsにとって非常に重要な都市です。今後も、2025年の万博開催に向け、国内外から非常に多くの観光客の流入が期待されます。夜間を含め、配達需要が高まる時間帯においても、デリバリーロボットの活用を通じ、Uber Eatsをご活用いただけるよう準備してまいります。また、デリバリーロボットは、配達パートナーが少ない、または全くいないエリアや時間帯でUber Eatsの配達ネットワークを補完し、将来的に配達エリアの拡大に貢献する可能性があると期待しています」と語る。
ウーバーイーツジャパンは、すでに多くの加盟店や注文者が集まり、今後も継続して配達需要の増加が見込まれる「うめきたエリア」を中心に、旺盛な配達需要に応えるため、自律走行ロボットを新たな配達手段として導入し、地域の利便性向上を図るという。
今回のサービスで使用されるCartken製デリバリーロボットは、高度なAIモデルやアルゴリズムを活用した物体検知技術、自律走行性能、遠隔操作機能などを備える。道路交通法に定める遠隔操作型小型車として最高時速5.4kmで歩道等を安全に走行する。
メルコモビリティーソリューションズの夜間走行許可取得により、大阪市内ではサービス導入時点から、夜間の配達も新たに開始。ロボットには正面のヘッドライトに加えて、周囲360度から目視可能なライトが機体上部に備わっており、発進時等に行われる音声案内と合わせて、周囲の歩行者や自転車からの視認性を確保する。
メルコモビリティーソリューションズで代表取締役社長を務める青木泰男氏は、「2024年3月より東京・日本橋にてスタートしたUber Eatsによるロボットデリバリーサービスが、今般、大阪の地にも展開されることになり、大変嬉しく思います。当社は、Cartken社並びに三菱電機と連携し、三菱電機グループ会社として日本国内における自動配送ロボット事業の展開を進めてまいりました。先般、一般社団法人ロボットデリバリー協会が制定する安全基準の夜間適合審査にも合格し、この度の大阪での展開からは、日没後も自動配送ロボットサービスのご提供を実施する予定です。当社は、屋内外における自動配送ロボットの運用を順次拡大することで、社会課題の解決と安心・安全な社会の実現に貢献してまいります」と語った。
フードデリバリー市場でシェア第1位のウーバーイーツによるサービス強化は、業界のデリバリーロボット活用にさらに拍車をかけるかもしれない。