神奈川県藤沢市のロボット交流拠点が話題だ。2024年11月3日(日)藤沢駅近隣に誕生した「ロボリンク」では、ロボットが体験できるショールームと企業交流スペースで、ロボット関連企業の新たなビジネスが創発されている。さらに藤沢市辻堂駅前の「ロボテラス」では地域住民も気軽に立ち寄ることができるため、ロボットと遊ぶ親子連れから年配者まで、老若男女問わず住民が集まる交流拠点となっている。神奈川県、藤沢市が、ロボットを使った新しい街づくりに挑戦している。その現場を追った。
藤沢駅前、サンパール広場――。時計塔ベンチのある待ち合わせ広場や、人工芝を敷き詰めたガーデンパークなど、休憩スポットやイベント会場として地域住民で賑わう。この広場に隣接するオフィスタワー内に「ロボリンク」はある。ロボット関連企業・エンジニアが集まる技術交流拠点として、セミナーや産官学連携のビジネス交流会、融資等を含む各種相談会、商談などが行われている。
さらに各ロボット企業の合同ショールームとして、人の生活を支える「生活支援ロボット」が十数種類展示されている。地域住民向けのロボット体験イベントや、関連企業・大学の交流会などを定期的に開催し、産官学連携によってロボットの普及を促進している。当施設を運営しているのは、藤沢市内の新事業創出や地域産業の振興を通し経済発展に寄与する公益財団法人 湘南産業振興財団。今回は、同財団で数々の企業支援を行ってきた秋本 英一 氏に話を伺った。
産まれも育ちも藤沢市という秋本氏は、藤沢市辻堂にある別のロボット拠点「ロボテラス」の管理・運営も担っている。「バブルが弾けたり、リーマンショックがあったりで、時代の移り変わりと共に各大企業は『選択と集中』という名のもとに撤退していきました」。
ロボリンク開所式のドローン体験には、ふじさわ観光親善大使を務めるつるの剛士氏も参加し賑わいを見せた(提供:ロボリンク)
そんな中、神奈川県は2013年2月、さがみ縦貫道路沿線の10市2町を対象に「さがみロボット産業特区」を指定。ロボットに関するさまざまな実証実験をはじめロボット関連企業の立地補助金、開発支援等が積極的に行われている。その一環で藤沢市でもロボット交流拠点の開設が進んでいるという形だ。