大阪府泉大津市。ここに国内外から視察が絶えないロボットとAIによるカフェがある。ロボットシステム・AIシステムのシステムインテグレータHCIが運営する「HCI ROBO HOUSE」だ。産業用ロボットとサービスロボット、AI・ソーシャルシステムを備え、社員食堂と展示場も兼ねた非日常的な空間で、従業員は「ロボスタッフ」と呼ばれるサービスロボットたち! 「これは体験しなければ!」RoboStep編集部は、現地を訪ねた。(文=RoboStep編集部)
JR阪和線 和泉府中駅から徒歩10分ほどに「HCI ROBO HOUSE」がある。入店するとソフトバンクが提供する人型ロボットPepper(ペッパーくん)が出迎えてくれ、店内には、接客ロボット、配膳ロボット、清掃ロボットなどサービスロボットであふれる。何より目立つのが、調理をするロボットが動くインパクトある厨房だ。ロボットが当たり前のように社会に溶け込む未来を一足早く体感できる気持ちになる。
どんな体験ができるのか…。2Fに上がる前からRoboStep編集担当はワクワク
店内には配膳ロボットや清掃ロボットなどサービスロボットがたくさん!
ロボットとAIを活用した社員食堂兼カフェでもある「HCI ROBO HOUSE」。運営するのは、大阪府 泉大津市に本社を構えるロボットメーカーのHCIだ。創業は2002年。携帯電話に使われる、髪の毛よりも細いケーブルを撚る「撚線機(よりせんき)」で事業を拡大。ガンダム好きの奥山浩司社長が「社員のために社員食堂をつくりたい」という思いでつくられたのが「HCI ROBO HOUSE」だ。
最新の撚線機で製造されたケーブルは高速伝送を可能とし、第5世代移動通信システムを具現化している
アイデア豊かで、パワフル。行動的な奥山社長が「せっかく人が集う場所をつくるならば、最新のロボットやAI技術が体感でき、地元の人が集まることもでき、子供たちもロボット技術に触れることができる場所をつくろう」と発案し、現在のコンセプトにたどり着いた。
お店には、地元の方がカフェ利用するのはもちろん、全国から企業の視察で訪れる方も多いという。観光に来た外国人が、SNSなどで「ROBO HOUSE」を知り、関西国際空港に向かう前に立ち寄るケースもあるという。
すでに多くのメディアでも取り上げられており、その様子が店内で投影されていた
「ロボットが調理し、提供してくれるプロセスを是非見てみたい!」ということで、取材陣は、お店の名物「ミートソースパスタセット」と「ビーフキーマカレーセット」を注文した。メニューを決めると、まずは端末で決済をする。決済が完了すると、連携するシステムから指令が出て、ロボットの調理が始まる。
端末から注文するとロボットが作業を開始!
冷蔵庫からサラダを取り、ご飯やパスタが温められる。テキパキと進む目の前の光景に思わず見入ってしまう。調理が終わると、指定された座席まで配膳ロボットが自動で席まで運んでくれる。注文から席に届けられるまで、すべてがロボットで完結する
調理が終わったものから、配膳ロボットが自動で席まで運んでくれる
パスタはもちもちで美味しかった! 地元企業とコラボして作られているのだそう
料理についての説明は、シャープが提供する「RoBoHoN(ロボホン)」が担当。最後まで、ロボット体験づくしだ
「HCI ROBO HOUSE」の責任者を務めるHCI 管理本部本部長 兼 総務経理部 マネージャー 兼F&C事業本部 岡本千里氏は「ロボットは作業を楽にする『道具』ではなく、一緒に働く仲間です」と嬉しそうに語る。
岡本氏はGROOVE X が提供するペット型ロボット「LOVOT (ラボット)」とインタビュー中にも仲良くおしゃべり
「HCI ROBO HOUSE」では、地元の子供たちのためにプログラミング教室をするなど、未来の人材育成の取り組みやフードロスを無くすための「マイ箸」製造、販売するなど、SDGsの取り組みにも力をいれる。
飲食店、ホテルを中心に国内でも導入が少しずつ進むサービスロボットやフードテック。人手不足解消や生産性向上を実現する未来の姿を「HCI ROBO HOUSE」で体感することができた。
ロボットをフル活用したカフェをつくる。構想をすることはできても、実際に形にするのは難しい。それを実現するHCIはユニークで、ロボットビジネスへの熱量が高い。「AI・サービスロボット」で、これからの日本、世界を牽引したいと語り「やりたいをかたちに」している奥山浩司社長の熱量を直接感じたい。ということで、取材陣は奥山社長へインタビューを敢行しました。
HCI代表取締役社長/一般社団法人日本ロボットシステムインテグレータ協会副会長 の奥山 浩司氏(写真左)とJapanStepプロデューサーで記念に一枚
幼少期のエピソードから、ロボットへの熱い思い、そして現在の取り組みまで、想像通り! いや想像以上に熱いお話を頂き、ロボットビジネスへのワクワクと、期待感が高まる取材となりました。(JapanStepプロジェクトへも共感頂き、パートナー企業にも参画頂きました!)
インタビューの内容は、2025年1月20日発行予定の『RoboStep Magazine』にて掲載予定です。『RoboStep Magazine』の詳細は、改めてRoboStepにて告知しますのでご期待ください。