ロボット導入のコンサルティング・開発を行う株式会社EmplifAIは、最先端のヒューマノイドロボット「Unitree G1」を体験できるレンタルサービスを正式に開始した。研究・プログラミング用途からイベントでのデモンストレーション、撮影まで、幅広いシーンでの活用を想定しており、高価なヒューマノイドロボット導入の新たな選択肢を提示する。
(引用元:PR TIMES)
提供されるレンタルプランは、利用者のニーズに合わせて柔軟に設計されている。東京都内にある同社のラボに来訪して利用する「時間プラン」は1時間3万円からと、短時間の簡易デモなどに最適だ。同じくラボ来訪型の「日次プラン」は1日20万円からで、SDK(ソフトウェア開発キット)の利用も可能なため、より実践的な研究や撮影に向いている。さらに、指定場所へのデリバリーに対応し、長期のPoC(概念実証)なども可能な「週+プラン」も用意されている。
レンタル対象となる「Unitree G1」は、23DoF+の高自由度関節により、人間のような滑らかな二足歩行を実現するヒューマノイドロボットだ。「Dex3-1 パワーコントロールハンド」を搭載し、繊細な物体の把持や操作も可能。また、深度カメラや3D LiDAR、Wi-Fi 6といった先進的なセンサー・通信機能を備え、自律制御や遠隔操作のための高い拡張性を持つ。
(引用元:PR TIMES)
利用までの流れは、まず問い合わせフォームから利用目的や希望日程などを連絡。EmplifAIの担当者とのヒアリングを経て見積りを受け取り、契約後にラボ来訪または現地へのデリバリーという形で、立ち会いのもとデモンストレーションが開始される。EmplifAIは、ロボット導入コンサルティングや開発を本業としており、専門家による技術サポートを受けながら最先端のヒューマノイドを扱える点も、このサービスの大きな特徴だ。
EmplifAIによる「Unitree G1」レンタルサービスの開始は、高度なヒューマノイド技術へのアクセシビリティを大きく向上させる点で重要だ。従来、数百万円から数千万円クラスと非常に高価なヒューマノイドロボットは、一部の大企業や大学の研究室といった限られた組織でしか扱えなかった。しかし、レンタルという形態はこの導入障壁を劇的に下げ、より多くの研究者、開発者、そしてクリエイターが最先端の技術に触れる機会を提供する。
特に、EmplifAIがロボット導入コンサルティングを本業とする専門家集団である点は見逃せない。このサービスは単なる機材の貸し出しに留まらず、利用者が「ロボットで何を実現したいか」という目的を円滑に達成するための技術サポートという付加価値を提供する。これはハードウェアだけでなく、その活用ノウハウもセットで提供するより高度な「Robot as a Service(RaaS)」の形と言えるだろう。
このようなサービスの登場は、ヒューマノイドロボットの新たなユースケースの創出と、社会実装に向けた試行錯誤を加速させる。研究・プログラミング用途での利用は、これまで机上でしか検討できなかった新しいアプリケーションやソフトウェアの開発を促進し、将来の社会実装に向けた具体的なアイデアを生み出す土壌となる。また、イベントやプロモーション、映像作品などでの活用は、社会に対するヒューマノイドの認知度を高め、人間との共存に対する心理的なハードルを下げる上で重要な役割を果たす。「まずはレンタルで試す」という選択肢は、企業が本格導入前のPoC(概念実証)を低リスクかつ迅速に行うことを可能にし、イノベーションのサイクルを加速させるだろう。
近年、同様のロボットレンタルサービスが複数登場し始めており、これは日本のロボット産業における新たなエコシステムの形成を示唆している。海外の先進的なロボット(Unitreeなど)を、国内の専門企業(EmplifAIなど)が技術サポート付きで提供することで、日本の開発者は世界の最新技術にアクセスしやすくなる。そして、そこで生まれたソフトウェアや知見が、日本のロボット産業全体の競争力強化に繋がるという好循環が期待できる。EmplifAIのような企業の取り組みは、未来のロボット技術の社会実装を担う開発者やクリエイターを育て、その活躍の場を広げるための重要なプラットフォームとして機能していくに違いない。