最新ヒューマノイドや犬型ロボットを1泊からレンタルできる時代だ。多様な分野のシステム開発を手掛けるデジタル情報戦略室株式会社が、新サービス「Robo Renta」の先行予約受付を開始した。高額な初期投資や運用ノウハウ不足といったロボット導入の障壁を下げ、「まずは使ってみる」という手軽なアプローチでロボット活用の裾野を広げる。(文=RoboStep編集部)
近年、ヒューマノイドや犬型ロボットといった次世代ロボットの進化は目覚ましく、接客・案内から警備・点検に至るまで、多様な業務での実用化が進みつつある。しかし、これらの先端ロボットの導入には、依然として高額な初期投資や専門的な運用ノウハウの不足といったハードルが存在している。特に、中小企業・団体にとっては「購入」という選択肢がリスクの高い判断となるケースも少なくない。また、展示会やイベント、短期間の実証実験など、恒常的な利用ではなく短期的にロボットを活用したいというニーズも増加しており、より柔軟で低リスクな導入形態が求められていた。
こうした背景を受け、デジタル情報戦略室株式会社は2025年5月21日、最新のヒューマノイド及び犬型ロボットを1泊からレンタルできる新サービス「Robo Renta」の提供を開始した。このサービスは、ロボット導入のハードルを大幅に下げることを目的としている。対象となるロボットには、Unitree社の人型ロボット「Unitree G1」(レンタル価格5万円台 /泊~)や犬型ロボット「Unitree Go2」(同5千円台/泊~)といった最新機種が含まれる。
(引用元:PR TIMES)
想定する利用者は法人に限らず、教育機関、研究機関、自治体、そして個人までと幅広い。レンタル期間は最短1泊から選択可能で、全国への配送にも対応。返送手配も簡便に行えるため、展示会やイベントでの利用、あるいは短期間の実証実験などに最適だ。
「Robo Renta」のようなサービスが登場したことは、ロボット導入のあり方を「購入」という従来の選択肢から、「レンタル」という新たな選択肢へと広げる点で大きな意義を持つ。高額な先端ロボットへのアクセス障壁が劇的に下がることで、これまで資金力のある大企業や専門的な研究機関などに限られがちだったロボット活用の機会が、より多くの主体、例えば中小企業やスタートアップ、教育機関、さらには個人のクリエイターや開発者にまで開かれることになる。これは、イノベーションの担い手を多様化させ、従来は想定されなかった斬新なユースケースや、異分野の知見を組み合わせた新しいアイデアが生まれる豊かな土壌を育むだろう。
短期レンタルという形態は、「まず試してみる」というアジャイルなアプローチを促進し、ロボット活用の試行錯誤を低リスクで行うことを可能にする。企業にとっては、本格的な導入前に効果測定や課題の洗い出しを小規模かつ迅速に行えるメリットがある。失敗を恐れずに新しい技術に挑戦できる環境は、DX推進や新規事業開発を力強く後押しするだろう。
また、イベントやプロモーションでの活用は、ロボットを通じた新しい顧客体験の提供や効果的な話題喚起にも繋がる。さらに、異なる分野の企業や研究者が同じロボットプラットフォームを共有することで、新たな連携や知見の共有が生まれ、共創によるイノベーションが加速することも期待される。
「Robo Renta」の登場は、日本のロボット産業全体、そして社会全体にもポジティブな影響を与えるだろう。ロボットメーカーにとっては、自社製品の市場認知度向上や、新たな顧客層の開拓に繋がる。利用者にとっては、常に最新のロボット技術に触れる機会が得られ、技術革新の恩恵を受けやすくなる。特に教育分野での活用は、将来のロボット技術者やAI関連人材の育成に不可欠な実践の場を提供する。
「Robo Renta」のようなサービスは、ロボット技術の社会実装を多方面から加速させ、多様な産業における生産性向上や喫緊の社会課題解決に貢献する、重要な「触媒」としての役割を担っていくことが期待される。