(引用:Google DeepMind)
2024年12月16日、Googleが次世代の動画生成AI「Veo 2(ヴェオ・ツー)」を発表しました。前モデルから大幅に改良され、より現実的で詳細な動画生成が可能となっています。
12月9日に一般公開されたOpenAIの動画生成AI「Sora」を上回る性能を実現していると言われており、注目を集めています。本記事では、Veo 2の特徴や、ウェイトリストへの登録方法について解説します。
(過去に掲載した「OpenAIが動画生成AI「Sora」をリリース!概要と使い方を紹介」記事も是非併せてお読みください。)
Veo 2は、Google傘下のAI研究開発企業Google DeepMindが2024年12月16日に発表した最新の動画生成AIです。
前モデルのVeoから大幅に改良され、4K解像度での出力が可能となりました。また、現実世界の物理現象やディテールをより正確に反映し、リアルな動画を生成できるようになっています。
以下の動画は、Google DeepMind公式YouTubeチャンネルが公開しているVeo 2で生成されたものです。高クオリティな動画のため、ひと目見ただけではAIが生成した動画だと気付けないほど。
Veo 2は、撮影技術に関する用語の理解も向上しています。例えば、「ローアングルのトラッキングショット」や「レンズは35mmで」といった指示に対応し、まるで映画監督のような繊細な表現が可能です。
公式サイトでは動画生成に使用されたプロンプト(AIへの指示文)のサンプルが公開されており、動画はYouTubeで視聴可能です。
(引用:Google DeepMind)
Veo 2は、最新の動画生成AIモデルとの比較実験で優れた性能を示しています。MetaのMovieGenBenchデータセットを使用した1003件のプロンプトによる評価では、Meta Movie Gen、Kling v1.5、Minimax、Sora Turboといった主要な動画生成モデルと比較して、全体的な品質とプロンプト遵守度の両面で最高の評価を獲得しました。
(引用:Google DeepMind)同じプロンプトでの評価:緑色がVeo 2
全体的な品質評価(左側のグラフ)では、全てのモデルとの比較においてVeo 2が優位性を示し、特にSora Turboとの比較では58.80%のケースでVeoが好ましいと評価されました。
同様に、プロンプト遵守度(右側のグラフ)においても、Veoは他のモデルを上回る性能を発揮し、入力された指示に忠実な動画生成が可能であることが実証されています。
また、動画の精巧さから悪用が心配されますが、Veo 2にはAIが生成した動画だとわかる不可視の透かしを埋め込むことでフェイクニュース対策にも取り組んでいるとのこと。
将来的にYouTube Shortsなどへの導入も予定されています。
2024年12月23日現在、Veo 2はまだ利用できず、近日中にGoogle DeepMindが提供する動画生成ツール「VideoFX」で展開される予定です。早期利用を希望する場合は、ウェイトリストへの登録が必要となります。
Google DeepMind公式サイトにアクセスして「Sign up to try on VideoFX」をクリックします。
次のページで画面上部の「順番待ちリストに登録する」をクリックしましょう。
Google登録フォームでは、以下の情報を入力します。
1.氏名
2.メールアドレス
3.居住国
4.18歳以上であるかのチェック
5.関連する作品へのリンク
6.Veo 2をどのようにして知ったか
7.最新情報をメールで受け取るか
申請は申し込み順に審査され、順次アクセス権が付与される予定です。Veo 2を利用するには18歳以上であることが条件となっているため、注意が必要です。
ChatGPTやGeminiなどの文章生成AIにとどまらず、動画生成AI分野でも各社シェアを奪うための戦いが繰り広げられています。
現在はまだ利用できないVeo 2ですが、一般公開されてYouTubeなどの動画配信プラットフォームで使えるとなれば、動画制作事業に携わる方の働き方が大きく変わる可能性を秘めています。
Veo 2が一般公開されればOpenAIのSoraも対抗してくると考えられるため、今後の動画生成AI分野から目が離せませんね。