中国専業の総合商社、西日本貿易の協力で中国のシリコンバレー深セン市を現地取材したレポートもいよいよ最終回。今回は、視察の中で印象に残った場所やエピソードなど、現地で撮影した写真を中心にお届けする。(文=RoboStep編集部)
※第1回が未読の方は是非第1回コラムからご覧ください。
賽迪顧問(中国工業情報省系の研究機関)によると、2030年に中国ロボット産業の規模は約4,000億元(約8兆2,600億円)となる見通された。そのうち、産業用ロボットは、2030年までに中核技術のブレークスルーや応用シーンの拡大などが進み、産業規模は1,052億6,000万元(約2兆1700億円)になると予想されている。これは2023年比でおよそ2倍となる見込みだ。
サービスロボットについてはさらに産業規模が拡大すると予想される。同研究機関によると、2030年には、2023年比でおよそ5.6倍の1,413億8,000万元(約2兆9100億円)になるとしている。その他、特殊ロボットや人型ロボットなどの分野でも大きな伸びが期待されている。
今回の視察では、産業用ロボット、サービスロボットそれぞれの業界を牽引するメーカーにも訪問した。
いずれの企業にも共通するのが、利益の多くを積極的に開発に回し、新たなロボットの可能性を探求し、保有する特許も多い点だ。UBTECHの本社では、若い技術者がかなりの人数在籍し、闊達な意見が交わされている様子をうかがうことができた。
深圳市図書館では、あまり日本では見ない設備(写真上)を発見した。写真の自動図書貸し出しサービスだ。
中国の図書館は、世代問わず利用者が本当に多く、土日はあっという間にすべての席が埋まってしまうという。実際取材時も、多くの人が座席を確保し、熱心に読書や勉強をしている様子がうかがえた。
深センの現地取材で感じたのは、キャッシュレスが進み、現金を出すシーンがほとんどないことだ。買い物するシーンをみても、QRコード決済する人がほとんどで、クレジットカードを使っているシーンも少ないように思えた。
街を歩いていると、電動自転車やバイクの数が本当に多い。あまり音のしない静かな電動自転車が歩道をすり抜けていくので、油断をするとぶつかってしまうのではと心配になるくらいだ。
車事情でいうと、中国も、世界各国の様々な自動車が走っているが、近年は中国の国産車をはじめ、EV対応が積極的に進められている。
一般的な乗用車のナンバープレートは青色だが、BEV (バッテリ式電気自動車) に特別に与えられているのが緑色のナンバープレート。取得価格の減免等様々なメリットがあるという。2023年1月まではPHEV(プラグインハイブリッド車)も緑ナンバーの対象だったが、現在はBEVのみが緑ナンバー対象となっている。
今回深圳の移動ではタクシーを使う機会が多かったが、ほとんどが緑色のナンバープレートだった。深センにおいては、新エネルギー車への転換が急速に進んでいることを実感した。
商業施設もとても賑やかで、有名ブランドが軒を連ねていた。深圳は、香港から鉄道でわずか15分の立地で、週末には多くの人が食事や買い物に訪れ賑わいをみせるという。取材陣もいくつかショッピングセンターにも入ってみたが、建物はどれも立派。高級ブランドも多く立ち並んでいて、こうした場所でも急成長する深センの勢いを感じた。
現地訪問するからこそ感じ、学ぶことがある。今回RoboStep編集部は現地を訪問して改めて感じたことだ。
「共創で日本をステップさせるメディアプロジェクト」JapanStepでは、中国深セン市への現地視察ツアーも計画中だ。詳細が決まり次第、公式XやJapanStep公式note、会員登録頂いている方へのメール等でお届けする予定だ。「こんな企画をやってほしい」などのリクエストはお問い合わせフォームより是非お寄せ頂きたい。