一般社団法人ロボットスポーツ協会は、日本初となるロボットスポーツの公式競技大会「第1回 ロボスポフェスタ in あだち」を2025年7月26日・27日に開催した。子どもたちが自ら設計・製作したロボットで競い合い、地域・教育・産業が連携して創り上げる新しいスポーツ文化の誕生を目指す。(文=RoboStep編集部)
(引用元:PR TIMES)
一般社団法人ロボットスポーツ協会は、2025年7月26日・27日の両日、東京都足立区の次世代育成拠点「ギャラクシティ」にて、日本初となるロボットスポーツの公式競技大会「第1回 ロボスポフェスタ in あだち」が開催された。これは、子どもたちが自らの手でロボットを「つくり」、仲間と共にチームで「戦う」、まったく新しい「テクノロジースポーツ」の祭典だ。
大会には70名を超える小中高生がチームを組んで参加。約1カ月にわたるワークショップを経て、3DCADを用いた設計からロボットの組み立て、そしてプログラミングまで、すべて自分たちの手で行ったオリジナルのロボットで熱戦を繰り広げる。技術力、創造力、そしてチームワークを武器に子どもたちが真剣勝負に挑む姿は、本イベントの最大のハイライトとなる。
「ロボスポフェスタ」は、競技者だけでなく来場者も楽しめる体験型イベントとしても充実している。会場では、ロボットスポーツの操作体験や3DCAD体験、さまざまなロボットの展示などが用意されており、誰もが「観て」「遊んで」ロボットスポーツの魅力を体感できる。さらに、プロによる総合演出や女優のフォンチーさんを大会MCに迎えるなど、ロボットスポーツを「見て楽しいエンターテインメント」として届ける工夫も凝らされている。
(引用元:PR TIMES)
このイベントの大きな特徴は、地域・教育・産業が密接に連携している点にある。会場となる足立区の「ギャラクシティ」と、地域密着型企業として教育支援を行うヤオキン商事株式会社が共催として企画運営に全面的に関与。さらに、世界的な3DCAD/PLM企業であるPTCジャパン株式会社がメインスポンサーとして参画し、設計ツールの提供や技術サポートを通じて、子どもたちのものづくり体験を力強く支援する。地元の公共施設と企業が手を取り合い、子どもたちにリアルな学びと挑戦の場を提供する「新しい協働モデル」が、ここ足立区で始動する。
「ロボットスポーツ」は単なるロボットコンテストではない。それは、「つくる」プロセスと「戦う」プロセスを融合させた新しい形のスポーツであり、教育の実践の場でもある。
3DCADでの設計からプログラミング、そして競技での実践までを一貫して体験することは、子どもたちに「モノづくり」の奥深い面白さと、理論が実践に結びつくダイナミックな喜びを教える。これは、科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、芸術(Arts)、数学(Mathematics)の要素を網羅した、まさにSTEAM教育そのものと言えるだろう。仲間と協力して一つの目標に向かうプロセスは、判断力や発想力、協調性といった、AI時代に不可欠とされる非認知スキルを遊びと挑戦の中で自然に育んでいく。
今回の「ロボスポフェスタ」が示すのは、単なる一過性のイベントを超えた持続可能な人材育成エコシステムの可能性だ。公共施設が学びの「場」を提供し、地元企業が運営を「支え」、グローバル企業が最先端の「技術」を提供する。この地域・教育・産業の連携は、地域全体で子どもたちの未来を育てるという、新しい「地域共創型教育」のモデルケースとなり得る。子どもたちはリアルな社会との関わりの中で、自らの興味や才能を発見し、将来のキャリアを考える貴重なきっかけを得るだろう。
(引用元:PR TIMES)
ロボットスポーツ協会が掲げる「新しいスポーツ文化の創出」というビジョンも興味深い。この取り組みは、eスポーツが持つ競技性やエンターテインメント性と、ロボットコンテストが持つ創造性や教育的価値を融合させることで、誰もが参加し、観戦し、楽しめる新しい市場を切り拓く可能性を秘めている。
ロボットスポーツ協会は、今回の足立区での取り組みをモデルケースとして、全国の自治体や学校、企業と連携を広げていくことを目指している。この動きが全国に波及していけば、日本の次世代を担う技術者やクリエイターを育成する土壌がより豊かになり、ひいては日本のロボット産業全体の競争力強化にも貢献することが期待される。「ロボスポフェスタ」は、子どもたちの尽きない情熱と、彼らを支える地域の想い、そして未来への可能性に投資する産業界の期待が交差する、新しい時代の始まりを告げるイベントと言えるだろう。