1. RoboStep TOP
  2. ロボット業界の今を学ぶ
  3. なるか実用サービス化! 歩行解析ロボットが病気の早期発見や未病対策に役立つ可能性

2024.12.18

なるか実用サービス化! 歩行解析ロボットが病気の早期発見や未病対策に役立つ可能性

エッジデータセンターに集積されるデータを活用し、リアルタイムで健康支援・未病対策を実現する。歩行解析ロボットがそんな未来を実現するかもしれない。健康と移動の新たなインフラ創出に向けた取り組みを紹介する。(文=RoboStep編集部)

高精度の歩行動作解析を、安価かつ簡単に行う

2024年11月27日、デザイン、クレイモデル、CFRP成形、コンサルティング事業などを手掛けるRDSが「可搬型データセンター」の開発・運営を行うQuantum Meshと歩行解析ロボットが解析した身体データの基盤構築など、IoTデバイス分野での業務提携を締結した。今後、AI・IoTのセキュアなデータ保護と低レイテンシー処理を可能にする国産デジタル基盤を活用し、健康と移動の新たなインフラ創出に取り組んでいくという。

業務協定の主な内容は2つだ。1つは「リアルタイム健康管理と未病対策」。エッジデータセンターを介してリアルタイムでデータが分析され、ユーザーの健康状態や移動パターンに即時に対応。日常生活での健康リスクを早期に発見し、未病対策を強化する。

もう1つは「地域との連携による医療と福祉の向上」。Quantum Meshのエッジデータセンターが医療データの安全な共有をサポートすることで、地域医療機関や福祉施設とのスムーズな連携を実現する。これにより、地域ごとにデータに基づいた医療・福祉施策が可能になり、コミュニティの安全と健康の質を向上させることが可能になるという。

活用するのは、歩行解析ロボット「RDS CORE-Ler」。「RDS CORE-Ler」は、3Dカメラを搭載したロボットが歩行姿勢を測定し、得られたデータをクラウドサーバ上で保存・解析する歩行計測システムだ。従来は高価な動作解析(モーションキャプチャー)システムが必要だった高精度の歩行動作解析を、安価かつ簡単に行うことができ、歩行測定に特化したことで従来よりも多項目の評価が可能になった。歩行動作解析を一般の方へ広く普及させることで、歩行データから発見が難しかった病気の早期発見や未病対策に役立つことが期待される。

RDS CORE-Ler

歩行解析イメージ

健康データの活用で未病対策に

Quantum MeshとRDSは本件に係る取り組みを12月より開始し、実用サービス化を目指す。

業務提携にあたり、RDS代表 杉原行里氏は、「『歩行解析』においては、これまでに2,000人以上の歩行テストを実施し、歩行データと疾患の関係を導き出すことで、健康課題の早期発見・未病対策の新たなモデルを構築してきました。一方で、これからの時代に必要なのは、これらのデータを新たなバイオマーカーとして社会に落とし込んでいくことだと考えています。そのために必要なのがデータの活用・運用です。Quantum Meshとの連携によりデータベースの基盤構築、さらにはデータを活用した健康課題解決を加速させていきたいと考えています」としている。

Quantum Mesh 代表 篠原裕幸氏は「本提携により、RDSの優れた技術と当社の高度なデータインフラを融合させることで、健康データ活用や未病対策を推進します。私たちは、この取り組みを通じて、AIとIoTがもたらすデジタル変革を支えつつ、地域医療の改善や安心・安全な暮らしの実現に貢献していきます」と語った。

医療・福祉の分野におけるIoTデータの活用を通じ、利用者一人ひとりが「より豊かで安心な生活」を実現できる持続可能な未来が実現するのか、引き続き注目だ。